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テニスのダウンザラインとは?用語の意味を解説

テニスのダウンザラインとは

テニスの試合のテレビ中継などを観ていると、ときおり解説者の口から「ダウンザライン」という言葉が出てきますよね。

まだテニスを始めたばかりの人は、コーチなどに「ダウンザラインを狙って!」などといわれて戸惑ったことがあるるかもしれません。

すでにテニス経験が長く、中級者や上級者の人でも、「単にストレートに打つことでしょ?」とあいまいに理解している人がいるかもしれませんが、ダウンザラインとストレートには違いがあります。

では、テニスにおけるダウンザラインとは、いったいどういう意味なのでしょうか。

今回は、その言葉の意味と、ダウンザラインを得意としている世界のトップ選手たちについて解説していきます。

ダウンザラインとは

ダウンザラインは、英語で書くと「DOWN THE LINE」となり、「ライン(線)に沿って打つ」という意味になります。

ここでいう「ライン」とはサイドライン、すなわち、テニスコート全体を大きな長方形に見立てたときの長辺にあたる部分に引いてあるラインのことです。

一方、「ストレートに打つ」という場合は、テニスコートのサイドラインから離れた中央付近から相手コートの中央付近にまっすぐ打ち返すことも含んでしまうので、ダウンザラインとストレートでは、少し意味が違うことがわかります。

テニスの試合におけるダウンザラインのショットは、何本かラリーを続けたあとに、エースやウィナー(エース気味のショット)を奪いにいくための決め手として使われる場合が多い、いわば「決め球」です。

サイドラインに沿って打つわけですから、決まれば当然、エース級のショットになる可能性が高いのです。

しかしながら、クロス方向へ打つショットと違って、相手コートのベースラインまでの距離が短く、しかもネットが一番高くなっている外側部分を通さなければならないので、難易度の高いテクニックだといえるでしょう。

ダウンザラインが得意な選手は?

ダウンザラインのショットは、試合の行方を大きく左右する重要なテクニックですから、テニスの上級者以上にとっては必須の技術ということになります。

そして、ダウンザラインに高確率に決められることがトッププロになるための絶対条件であるといっても過言ではないでしょう。

したがって、トッププロの中にはダウンザラインのショットを得意にしている選手が大勢いますが、ここでは、特に特徴的なダウンザラインを放つトップ選手である錦織圭選手、大坂なおみ選手、ロジャー・フェデラー選手、ラファエル・ナダル選手の4人を紹介します。

錦織圭選手のダウンザライン

いわずと知れた、世界のトップで長年プレーしている唯一の日本人男子、錦織圭選手。

トッププロの間でも、錦織選手の両手打ちバックハンドは「世界一すごい」といわれるほどの威力とコントロールを兼ね備えています。特に、一撃必殺のダウンザラインは正確無比。

ラリーの最中にエースを決めにいくことができるのはもちろんですが、バックハンド方向に大きく揺さぶられ、体勢を崩しているときに一発逆転のショットとしても使うことができるのが一番の強みです。

なお、ノバク・ジョコビッチ選手も、錦織選手にかなり似たタイプのバックハンドをもっており、錦織選手と同じように、起死回生の一発を打つことができます。

大坂なおみ選手のダウンザライン

女子テニスでは、大坂なおみ選手のフォアハンドで打つ強烈なダウンザラインが有名です。

攻めているときも守っているときも、どんな展開からでもテニスコートのコーナーぎりぎりをピンポイントで、しかも高速で捉えるので、他の選手にとっては大変な脅威です。

大阪選手の超攻撃的なプレースタイルを支えているのは、強力なサーブと、このフォアハンドのダウンザラインです。

ロジャー・フェデラー選手のダウンザライン

テニス界の生ける伝説・フェデラーのプレーを見ていると、ついつい華麗なネットプレーや強烈なフォアハンドに目を奪われてしまうがちですが、実はバックハンドのダウンザラインも天下一品です。

片手打ちバックハンドの美しいフォームから放たれるダウンザラインへのショットは、フラット系ドライブでいきなりエースを狙いにいったり、得意のネットプレーにつなぐアプローチショットに使ったりと多彩です。

特にフェデラー選手のスライスは高速で、しかも横回転気味にコーナー付近に決まり、バウンドしたあと外側へ逃げていくため、そのままエースになってしまうこともあるほどの威力があります。

ラファエル・ナダル選手のダウンザライン

クレーコートの王者・ナダル選手のフォアハンドから放たれるダウンザラインへのショットもパワフルです。

特に、相手に走らされ、コート外に追い出されたところから放つダウンザラインは、もはや「えげつない」の一言に尽きます。

野球でいう強烈なカーブ回転をかけられたボールは、ネットの外側からグニャリと曲がってコート内に入ってくるので、相手選手はもはや見送るしかありません。

どんなに走らされてもボールに追いつく身体能力と精神力に加え、追い込まれても逆転できるダウンザラインのショットがあれば、耐久力がものをいうクレーコートでナダルが世界最強なのは、当然でしょう。

ダウンザラインのまとめ

テニス用語の「ダウンザライン」は「ストレート」とは少し違って、テニスコートのサイドラインに沿って打つ、という意味。

サイドラインぎわを狙って打つため、エースやウィナーになりやすい、とても攻撃的なショットです。

テニスの試合では重要な意味をもつため、トッププロの中にもダウンザラインを得意にしている選手は数多く存在します。

効果が高い分、テクニックとしての難易度も高いダウンザラインですが、テニスを上達したい人は、ぜひマスターしたいですね。

上達のポイントをひとつ挙げるなら、ラケットを低い位置にセットして、高い位置まで振り上げること。

これによって、適度な量のトップスピンがかかり、ネットが高くなっている場所を通ってもコート内に収まります。

なお、ダウンザラインと少し響きの似たテニス用語に「オンザライン」がありますが、こちらは「ボールがライン上に落ちること」を意味する言葉ですので、混同しないようにしましょう。

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ABOUT ME
terafumi
小学校からテニスを始め、スポーツの魅力にハマり、大学は体育科に進学。 卒業後はスポーツ業界を専門とするライターとして活動している。
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