バレーボール選手のポジションの1つ「リベロ」をみなさんご存知でしょうか。
バレーボール観戦をしているなかで、コート上に1人だけ色違いのユニフォームを着用している選手を不思議に思ったことがあるかと思います。私自身、初めてテレビでバレーボール観戦をした際、ユニフォームの色が1人だけ異なり、何度もコートとベンチを行き来しているのを見て、その人の役割が何か特別なものなんだと子供ながらに理解したのを覚えています。実はリベロというポジションは、専門性を重視したバレーボールにおいてはとても重要なポジションになるのです。そんな「リベロ」というポジションが、どのような役割やルールがあるのか。また、歴代の全日本女子バレー代表選手の活躍ぶりも一緒に振り返っていきます。ぜひ最後までご覧ください!
バレーボールのリベロとは
バレーボールのリベロとは、守備を専門とするポジションのことを指します。
リベロといえば、サッカーでも同じ名前のポジションがありますよね。サッカーのリベロは、攻撃も守備にも参加できる「自由」なポジションのことをいいます。ですがバレーボールの場合、守備を専門とするポジションであり、リベロは基本的には攻撃へ参加することはありません。リベロは、相手が攻撃してきたボールをレシーブで拾い上げ、味方の攻撃に繋げるとても重要な役割を担います。このポジションには小柄な選手が多く、その中でも特に守備を得意とする選手が多く起用されています。テレビなどでは「守護神」や「チームの要」などとリベロが称されることも多く、その重要さがよく分かるポジションですよね。
守備のスペシャリストとしてはもちろん、ベンチとコートを試合中行き来することから監督やコーチからのメッセンジャー的な役割や、セッターがレシーブを行った際に攻撃陣へトスを上げる役割を果たす場合もあります。攻撃陣を手助けする粘り強い守備と、瞬時の判断力も必要になる非常に重要なポジションですね。
リベロのルールは?
バレーボールにはローテーションなどのさまざまなルールが存在しますよね。この複雑なルールを覚えるのに最初は苦労する方も多いかと思います。そのなかでもリベロというボジションは、リベロ独自のルールが多くあり、そのルールのもと試合を行わなくてはなりません。そんなリベロ独自のルールを一挙ご紹介いたします!
- 他選手と異なる色のユニフォームを着用しなければならない
- サーブを打つことはできない
- ネットより高い位置でボールをアタックすることはできない
- ブロックをすることはできない
- アタックラインより前でトスをすることはできない
- リベロはコート上1名のみ配置
- リベロの交代には1プレーおくこと
- チームキャプテンを務めることはできない
- ゲームキャプテンを務めることはできない
以上が主なリベロのルールです。
リベロのユニフォームの色が他選手と違うのは試合を見ていると一目瞭然ですよね。守備専門のリベロは、攻撃へと参加するアタック、サーブ、ブロックは行うことはできません。ですが例外もあり、「アタックライン( アタッカーが助走をとる位置に引かれている線)を足が越えないこと」「ネットの高さよりも低い位置でボールに触れていること」この2つを満たしていれば、実際は相手コートにボールを返すことが可能になります。過去の全日本代表選手のなかには、不意打ちで2本目に相手コートに落とすツー攻撃を行なって試合を沸かせた場面も見られていました。
リベロになるためには?
バレーボール選手には高身長の選手が多く、身長が低いと一見不利に思えるかもしれません。過去の全日本代表リベロ女子選手の平均身長を調べてみたところ、164㎝であることが分かりました。日本人女性の平均よりは高くなりますが、空中戦では余程のジャンプ力が無い限り不利になってしまうことが多いですよね。
ですが、周りより身長が低くても活躍しているバレーボール選手は大勢いますよね。リベロはチームに最大2人まで、コート上には1人しか立つことができない狭き門です。そんなリベロのポジションを勝ち取るためには「守備力が優れていること」が大前提。守備のスペシャリストであるリベロの選手は練習でもレシーブやブロックフォローなどの守備を重点的に練習を重ねています。強いボールの力にも耐えられる体幹と、速いボールにも瞬時に対応できる瞬発力を身につけましょう!そしてこちらも大事なのが、コミュニケーション能力。試合中のメッセンジャーとしての役割や、守備の中心として他選手との連携は重要になるので日頃から心得て練習していきましょう!
お手本にしたいリベロ元全日本女子代表選手を2人ご紹介!
これからリベロを目指す方へもお手本になる、日本を代表する「スーパーリベロ」を2人ご紹介します!
まさに「守護神」日本を長年支えた「佐野優子」
【デンソーエアリービーズ、上尾メディックス昇格決定】
— Vリーグ公式 (@vleague_or_jp) May 22, 2014
今季途中に加入し、デンソーをプレミア復帰に導いたリベロ・佐野優子!
#昇格チームのフォトセレクションやってます pic.twitter.com/uJEPtQP31q
記憶に新しい2012年ロンドンオリンピックで28年ぶりに銅メダルを獲得した女子日本代表。当時の正リベロは身長158㎝と小柄ながら、高い守備力でチームに貢献した「佐野優子(さのゆうこ)」さんです。佐野さんは2002年に全日本代表に初選出後、途中苦い経験もありながら2015年引退までの約13年間、日本女子バレー界をリベロのトップとして牽引してきました。国内外多くの大会で栄えあるベストリベロ賞を受賞するほど、その実力は世界トップクラス。小柄な身体でも強力なスパイクをものともせず拾い上げ、日本の守護神としてチーム支えてきました。佐野さんが相手エースのスパイクに飛びつき、ボールが繋がったときはより一層声援が多く飛びかい、チームの流れも一瞬にして引き寄せる素晴らしい選手でしたね。
守備だけじゃない!攻撃力にも優れた「佐藤あり紗」
本日はリアさんこと、佐藤あり紗選手のお誕生日です。
— じくら@バロスが閾値を超えました (@g_cra) July 18, 2018
おめでとうございます!#佐藤あり紗 選手 pic.twitter.com/X4smAuhnOi
守備専門のリベロですが、得点もとってしまうオールマイティーなリベロの選手をご紹介!2016年リオデジャネイロオリンピックで正リベロとして活躍を見せた「佐藤あり紗(さとうありさ)」選手です。正確なレシーブやお手本にしたくなる回転レシーブなどリベロとしての能力はもちろん高いですが、佐藤選手が他リベロと違う点は、リベロながら高い攻撃力も併せ持ってるということです。セッターが1本目に触れるとリベロが攻撃陣にトスを上げる光景はよく目にしますが、佐藤選手は優れたジャンプ力とアタックライン後方からの巧みなトスワークで自由自在にボールを操り、時には相手コートへ不意をついてボールを落とすツー攻撃までやってのけるんです!リベロだけど直接得点にも絡んでくるオールラウンドプレイヤーですね。
バレーボールのリベロまとめ
リベロについての解説でした。
バレーボールのリベロとは守備専門の大きな役割を担うポジションであることが分かりましたよね。リベロがいることで戦略の幅も大きく広がり、攻守共にチームのバランスも良くなります。身長はあまり高くはない方でも、試合で活躍できる機会は大いにあり、そのうちの1つ「リベロ」というポジションで技術に磨きをかけるのも活躍への一歩ですね。
リベロの知識をしっかりと身につけ、バレーボールをより深く理解していきましょう。